TOP > 桜島線
なお、本項では桜島線の前身である西成線(にしなりせん)についても記述する。
概要
起点の西九条駅で大阪環状線に接続している。ラインカラーは赤()で、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン (USJ) 開業に先立つ2001年3月1日に同園の最寄り駅となるユニバーサルシティ駅が開業し、「JRゆめ咲線」の愛称と同時に制定された。
「JRゆめ咲線」という愛称は公募で決定された。この名前は公募1位ではなかったが、柔らかな語感と、桜島線の沿線周辺はUSJなど大阪の夢が生まれつつある地域であり、その夢が咲くことを期待して選ばれた。また桜島のある咲洲や、その先にある夢洲も関係あるとされる。
かつては沿線の工場への通勤路線の意味合いが強かったが、2001年3月31日のUSJの開園後は、そのアクセス路線として機能している。
1985年4月1日に香月線(全長3.5km)が廃止されてから1996年7月18日に宮崎空港線(全長1.4km)が開業するまでの間、この路線は国鉄・JRの旅客営業をする路線の中では最も短い路線であった(貨物線を含めた最短路線は、当時全長3.6kmであった新湊線)。
全線が旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「大阪近郊区間」と「電車特定区間」の「大阪環状線内」、およびIC乗車カード「ICOCA」の近畿圏エリアに含まれている。
路線データ
- 路線距離(営業キロ):
- 西日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者):
- * 西九条駅 - 桜島駅間 4.1km
- 日本貨物鉄道(第二種鉄道事業者):
- * 西九条駅 - 安治川口駅間 (2.4km)
- 軌間:1067mm
- 駅数:4(起終点駅含む)
- 複線区間:全線(ただし、西九条駅 - ユニバーサルシティ駅間は単線並列)
- 電化区間:全線電化(直流1500V)
- 閉塞方式:自動閉塞式
- 保安装置:ATS-P
- 運行管理システム:大阪環状・大和路線運行管理システム (SUNTRAS)
沿線概況
高架駅の西九条駅を発車するとすぐに地上に向かって下り始め、右にカーブをしながら大阪環状線の外回りをくぐる。この勾配には、JR西日本の中で最も急な35‰の勾配がある。六軒家川を渡って国道43号をくぐると、両側には住宅地密集しているが、左手はすぐに住友化学の大阪工場になり、やがて右手も同社の研究所の施設が広がる。緩やかに左カーブを進むと、貨物ヤードが広がる安治川口駅で、高架橋を進み、左右に高層マンションが建ち並ぶと USJ の最寄り駅であるユニバーサルシティ駅に到着する。
ユニバーサルシティ駅から先は USJ の開園に伴って線路が移設されて、USJ の南端に沿って遊歩道の下のトンネルを進むようになる。1999年4月1日の線路移設以前の安治川口駅 - 旧桜島駅間には、北港運河を跨ぐ北港運河第一橋梁とよばれる可動橋があり、山本卯太郎が設計・製作を行った。当時は、豪雨などの際にこの可動橋が冠水して運休になることも少なくなかったが、1990年代には運河が埋め立てられ、本来の役割は果たさなくなっていた。
終点の桜島駅はトンネルを抜けた、バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドの裏手にあたる地点にある。
運行形態
旅客列車
旅客列車は線内折り返し(シャトル)列車と、大阪環状線との直通列車がある。日中ダイヤでは、西九条駅 - 桜島駅間のシャトル列車と、天王寺方面 - 京橋駅 - 大阪駅 - 桜島駅間の直通列車がそれぞれ1時間あたり3本ずつ運転される(ただし運転間隔は均等な10分間隔ではない)。以前は大阪環状線の混雑のため、朝夕ラッシュ時間帯はシャトル列車のみ運転されていたが、現在は一部の時間を除き、ラッシュ時間帯でも直通列車が運行されている。シャトル列車は西九条駅で外回り(大阪・京橋方面)の快速列車に接続するケースが多い。
基本的にシャトル列車はUSJラッピング車両の6両編成、大阪環状線との直通列車は8両編成が使用されるが、一部のシャトル列車は通常塗装の8両編成が、また一部の直通列車はUSJラッピング車両の6両編成で運転される。また、夏休みなどのUSJ繁忙期には、シャトル列車の編成を組み換え、異なるデザインの車両が混じった8両編成のシャトル列車として運転されることがある。
西九条駅において大阪環状線との直通列車は大阪・京橋方面行き・桜島行きは、中央の2・3番のりば(両側にある2つのホームで1つの線路を共用、シャトル列車の折り返しにも使用)から発着するのが基本となっている。なお、一部の大阪・京橋方面行きの列車は1番(外回り)のりばから、桜島行きの列車は4番(内回り)のりばから発車している。
その西九条駅2・3番のりばは京都・新大阪方面から関西空港・白浜方面へ向かう特急「はるか」「くろしお」なども通るため、これらが遅延した場合には桜島線の列車にも影響を及ぼすことになり、桜島駅からの列車が西九条駅手前の第1場内信号機付近や安治川口駅で信号待ちをするケースも多い。
USJの開業以来、日中のシャトル列車は1編成のみを使用して線内を往復する形態で、運転時間の関係から西九条駅・桜島駅における折り返し時間が2 - 3分程度しか確保できないなど余裕の少ないダイヤ設定となっていた。しかし、2005年(平成17年)4月の福知山線脱線事故を契機にダイヤの抜本的な見直しが行われた2006年(平成18年)3月のダイヤ改正以降は2編成を使用しての形態に改められ、大阪環状線との直通列車を含めて桜島駅での折り返し時間およびユニバーサルシティ駅での停車時間を長めに設定するなどダイヤに余裕を持たせている。
万一の車両故障時などにUSJからの乗客を円滑に運ぶため、西九条駅からユニバーサルシティ駅までの間は双単線としてそれぞれの線路で双方向運転が可能となっている。すなわち、下り線の支障時には、上り線のみで折り返し運転ができるようになっている。そのため、各駅には通常の進行方向と反対側にも信号機が取り付けられている。使用された例として、2007年(平成19年)8月24日に発生した落雷の影響で単線運転が実施され、複線運転に戻る直前に運用の都合で2線とも上りを向いて併走する光景が見られた。
臨時列車の運転
USJの閉園時刻が20時以降となる多客期などでは、定期列車だけでは帰宅客をさばききれなくなることから、土休日ダイヤの20時以降を中心に臨時列車(線内折り返しおよび大阪環状線直通、いずれも普通)を運転して混雑緩和をおこなっている。なお、USJの開業当初は朝方にも臨時列車が運転されていた。
多客期には、北陸(富山)方面から直通の臨時列車「ユニバーサルエクスプレス」が運転されることがある。ただし、近年はUSJの観客動員数が減少傾向にあるから、こういった臨時列車はよほどの繁忙期でない限りあまり運転されていない。なお、「ユニバーサルエクスプレス」はユニバーサルシティ駅を始発・終着駅としているが、桜島駅まで行って折り返す。同列車は午前中運転の往路から夕刻運転の復路まで時間があるが、桜島線内で留置出来ず一度車庫へ回送されるため、桜島線を2往復することになる。
大晦日終夜運転
アーバンネットワークエリアでは一部の線区・区間を除いて大晦日から元旦にかけて終夜運転が実施されているが、USJでは2001年(平成13年)3月の開業以来、毎年新年のカウントダウン特別営業が行われている。そのため、2001年度の大晦日から毎年、終夜運転が実施されている。ここ最近では線内折り返し(シャトル)列車および大阪環状線との直通列車を交互に約15分間隔で運転している。
GLAY EXPO 2004
2004年(平成16年)7月31日にUSJで開催されたロックグループ「GLAY」の大型コンサートで10万人規模の観客を動員したことから、当日は午前10時頃から特別ダイヤが組まれた。特に公演終了後の20時以降は環状線直通の定期列車と臨時列車が最大3 - 4分間隔で運行され、20時過ぎから23時までは最大1時間12本すべてが直通列車となり、同時間帯の大阪環状線西九条駅 - 京橋駅間では、直通列車と環状線の列車により超過密状態となり、定期列車と臨時直通列車との運転間隔が1分を切る時間帯があった。
貨物列車
旅客列車のほか、西九条駅 - 安治川口駅間には日本貨物鉄道(JR貨物)による貨物列車も運転されている。
旅客案内
大阪環状線との直通列車は、時刻表等での運転区間は天王寺駅 - 桜島駅間とされており、ダイヤ上もこれが正式である。そのためこの区間のみを折り返し運転していると思われがちであるが、実際は大半が大阪環状線の環状運転系統と一体の運用が取られており、天王寺駅到着後は列車番号のみを変更した上でそのまま環状運転の運用に移行する(逆も同様)。この直通列車が入る分、弁天町駅・西九条駅を経由する環状外回り列車の一部が天王寺駅で折り返すことになる。
これは、1990年代まで、環状運転系統の方向転換点を、内回りから外回りへは大阪駅、外回りから内回りへは天王寺駅としていた名残であり、前者の折り返し点を桜島駅に移行させたためである。
よって、大阪環状線との直通列車については、以下のように、行先表記を途中で変えている。
| 運転方向 | 区間 | 駅の表示 | 車両の表示 |
|---|---|---|---|
| 環状線方面 | 桜島 - 西九条 | (普通 大阪方面京橋) |
大阪環状線直通 大阪・京橋 |
| 野田・福島 | 大阪環状線 (普通 京橋) [普通 天王寺] |
||
| 大阪 | 普通 環状 (普通 京橋) [普通 天王寺] |
大阪環状線 (京橋) [天王寺] |
|
| 天満以遠 | 大阪環状線 (普通 京橋) [普通 天王寺] |
大阪環状線 (京橋) [天王寺] |
|
| 桜島方面 | 天王寺 | 普通 環状 | 大阪環状線 |
| 寺田町 - 西九条 | 普通 ユニバーサルシティ方面桜島 | JRゆめ咲線直通 ユニバーサルシティ・桜島 | |
| 安治川口以遠 | 普通 桜島 | JRゆめ咲線 ユニバーサルシティ・桜島 |
- ( )は京橋が、[ ]は天王寺が終着駅となる場合の表示
* 印は、西九条駅のみ、時刻表には「環状」と記載されているが、発車標は天王寺行と表示している。
** 印は、京橋駅・天王寺駅が実際の終着となる場合は、「大阪環状線直通 大阪・京橋」の表示のまま大阪駅に至る。
使用車両
全列車が森ノ宮電車区所属の電車で運転されている。
- 8両編成と桜島線用の6両編成が使用されている。桜島線用6両編成は、USJへのアクセス路線であるということから、それをPRするラッピング車両を導入している。6両編成4本が在籍しており、編成毎にテーマが異なっている。桜島線用6両編成は、森ノ宮電車区への出入区列車として京橋駅 - 桜島駅間の普通としても使用され、基本的に京橋駅 - 天王寺駅 - 西九条駅間は走行しない。
- ゴールデンウィークや春・夏・冬休みシーズンには、ラッピング車両も8両編成に変更される。この際、6両編成のうち1本を2両ずつに分け、それぞれを他の3本につないで8両編成3本を組成する(すなわち、24両を6両編成4本から8両編成3本に組み替える)。なお、USJ開業までは、大阪環状線と共通のオレンジバーミリオン塗装であり、1999年までは6両編成、1999年 - 2001年までは4両編成であった。桜島線用が6両編成であった時代は、森ノ宮電車区への出入区列車は現在と同様に京橋駅 - 桜島駅間の営業列車として運転、4両編成の時代は西九条駅から森ノ宮電車区まで回送していた。
ファイル:JNR EC Tc103-256.jpg|パワーオブハリウッド号
ファイル:JNR EC Tc103-240-2.jpg|スパイダーマン号
ファイル:JNR EC Tc103-830-2.jpg|セサミストリート号
ファイル:JNR EC Tc103-840.jpg|ウッディー・ウッドペッカー号
- 2005年末より運用開始した。8両編成のみ。
- 1961年の大阪環状線全通時から101系は大阪環状線・桜島線で運用を開始し、1991年まで使用されていた。JR西日本では101系最後の使用路線であった。また、最後のオレンジバーミリオン色の101系でもあった。末期は桜島線用の6両編成2本のみ在籍しており、出入区便の京橋駅 - 桜島駅間の列車にも使用されていた。
延伸計画
2009年9月10日、大阪府知事の橋下徹が、大阪ワールドトレードセンタービルディング (WTC) への府庁移転問題に絡み、桜島線の終点桜島駅から、南港ポートタウン線(ニュートラム)のトレードセンター前駅までの約4kmの延伸を検討していることが、報道で明らかになった。2009年現在WTCへは大阪駅から最短でも30分かかるため、交通アクセスがWTCへの府庁移転実現への“障壁”となっており、交通アクセス問題解決の起爆剤と位置づけられている。なお、事業費用は約1千億円と見込まれており、府が一部費用を負担することを検討しているものの、大阪市交通局など既存の交通体系との競合を全く考慮しておらず、利害関係のある各方面との調整も現時点では一切行われてはいない。
計画では、桜島駅 - トレードセンター前駅間、約4kmを最短ルートで結び、その内約3kmを地下化するとしており、実現すれば、大阪駅 - 南港間の所要時間は約20分となると見込まれている。
輸送改善
1980年代後半にユニバーサルスタジオが日本進出を検討し、大阪市が大正区への誘致を持ちかけたが、これが破談となった。のちに此花区への誘致を持ちかけ、1994年1月に此花区への進出が正式に決定した。また、当時の大阪市長であった西尾正也が1994年1月に2008年大阪オリンピック招致を表明し、1997年に2008年のオリンピックで日本の国内候補地が大阪市に決定した(2001年に行われたオリンピックの開催都市決定の際に落選となった)。USJの人出予想は、年間約800万人に上るされ、大阪オリンピック招致と合わせて輸送力増強が急がれることになった。
桜島線はユニバーサルスタジオ計画地の中央を横断していたため、USJの地下を走行する経路も検討されたが、計画地の南側に約300メートル移設することになった。1999年4月に単線区間が残っていた安治川口駅 - 桜島駅間を複線の新線に切り替えられたと同時に、桜島駅を移設している。1999年から2001年にかけてUSJへのアクセス路線として改良するため、大阪環状線への直通運転を休止して、安治川口駅の橋上駅化や信号設備の改良などの工事が行われた。
この輸送改善に関連して、1960年代から地元住民や商店街から西九条駅 - 安治川口駅間に新駅(春日出駅を提唱していた)設置の運動があったが、需要が見込めないとして設置は見送られた。
2001年3月31日にUSJの開園に先立って、最寄り駅となるユニバーサルシティ駅が3月1日に開業し、同日よりJRゆめ咲線の愛称も使われるようになった。その後、3日のダイヤ改正により大阪環状線との直通運転再開されている。
歴史
元々西九条駅 - 桜島駅間は独立した路線ではなく、西成鉄道を鉄道国有法により買収した西成線(にしなりせん)の一部を1961年の大阪環状線全通時に分離したものである。沿線工場への貨物輸送や通勤路線という目的から昼間は閑散とした状態が続いていたが、USJ開園後はそのアクセス路線として終日賑わっている。
西成線
- 1898年(明治31年)10月1日:西九条駅開業。
- 1906年(明治39年)12月1日:西成鉄道が国有化。西九条駅 - 安治川口駅間改マイル (-0.1M)。
- 1930年(昭和5年)4月1日:マイル表記からメートル表記に変更(4.9M→8.1km)。
- 1941年(昭和16年)5月1日:大阪駅 - 桜島間駅電化(直流1500V)。
桜島線
- 1966年(昭和41年)3月31日:安治川口 - (北港運河第一橋梁)間が複線化。
- 1993年(平成5年)4月1日:大阪環状線の駅で分煙化実施。西九条駅が喫煙コーナーを除いて終日禁煙に。
- 1994年(平成6年)3月1日:全駅で分煙化実施。安治川口駅・桜島駅が喫煙コーナーを除いて終日禁煙に。
- 1999年(平成11年)5月9日:大阪環状線との直通運転を一旦廃止。
- 2001年(平成13年)3月1日:ユニバーサルシティ駅開業。JRゆめ咲線の愛称使用開始。
- 2001年(平成13年)3月3日:大阪環状線との直通運転再開。
- 2008年(平成20年)10月1日:全駅のホーム全面禁煙化を実施。ホーム上の喫煙コーナー廃止(コンコースのコーナーは2003年10月に廃止)。
駅一覧
- ◆印:貨物取扱駅
- 定期旅客列車は全列車普通列車(全駅に停車)
| 駅名 | 駅間営業キロ | 累計営業キロ | 接続路線 |
|---|---|---|---|
| 西九条駅 | - | 0.0 | 西日本旅客鉄道:大阪環状線(大阪方面へ直通あり) 阪神電気鉄道:阪神なんば線 |
| 安治川口駅◆ | 2.4 | 2.4 | |
| ユニバーサルシティ駅 | 0.8 | 3.2 | |
| 桜島駅 | 0.9 | 4.1 |
廃止区間
括弧内は起点からの営業キロ。
- 貨物支線
- 安治川口駅 (0.0km) - 大阪北港駅 (3.4km)
参考文献
- 『JR時刻表』各号(交通新聞社)
関連項目
カテゴリ:近畿地方の鉄道路線
カテゴリ:西成鉄道
カテゴリ:日本国有鉄道の鉄道路線
カテゴリ:西日本旅客鉄道の鉄道路線
カテゴリ:大阪府の交通