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専修学校(せんしゅうがっこう、英称 specialized training college)とは、学校教育法昭和22年法律第26号)の第124条にもとづいて、学校教育法の第1条に掲げる学校以外で、一定の基準を満たす日本の教育施設である。


概要


専修学校は職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的として組織的な教育を行う施設である。1976年昭和51年)に、学校教育法に専修学校の規定を加える法律が施行され、それ以前に各種学校であった教育施設のうち、設置基準を満たすものが専修学校に移行した。
専修学校には、高等課程、専門課程、一般課程のいずれかまたは複数がおかれる。
専修学校には、他の法律に特別の規定がある省庁大学校や、職業能力開発促進法に規定する公共職業能力開発施設職業訓練施設などの施設は含まれない(各種学校にも該当しない)。また、日本に居住する外国人をもっぱら対象とする教育施設外国人学校民族学校インターナショナル・スクールナショナル・スクール)は専修学校となることができない(各種学校となることはできる)。
一般に、専修学校の個別の校名に「専修学校」、「高等専修学校」、「専門学校」、「大学校」(参照)の名称が付けられる。なお、高等課程を置く専修学校以外の教育施設は「高等専修学校」の名称を、専門課程を置く専修学校以外の教育施設は「専門学校」の名称を、専修学校以外の教育施設は「専修学校」の名称を用いてはならない。そのため、校名に「専修学校」という名称が入っていれば専修学校であることが、「高等専修学校」という名称が入っていれば高等課程を置いている専修学校であることが、「専門学校」という名称が入っていれば専門課程を置いている専修学校であることが判別できる。
しかし、そうでない校名(○○学院、○○大学校など)の場合は各種学校無認可校とも区別することができない。また、専修学校は学校教育法第1条に定められる学校1条校)の名称(○○高等学校、○○大学など)および「大学院」(○○大学院、大学院○○、○○大学院○○)の名称をもちいてはならない。また、専修学校は学校1条校)の略称(○○高、○○大、○○短大、○○高専など)ももちいないことが通例である。
高等課程のみを置く専修学校は少なく、高等課程を置く専修学校には専門課程も置かれている場合が多い。
就職氷河期であった2000年の就職率は78.2%、2003年の就職率は76%、同年の大卒の就職率は55.1%で過去最低であった。
「大学」と「専修学校の専門課程」に同時に在籍する「ダブルスクール」の者も存在する。ダブルスクールの形態としては、その者が在籍する大学の課程が実務に直結しないため自主的に専修学校に入学する、大学と専修学校の間に提携制度の下に入学するなどがある。
最近では、少子化による大学入試の易化、大学での職業教育の充実により、専修学校の専門課程は生徒集めに苦戦しているといわれている。

専修学校の課程


高等課程


この項目では専修学校の高等課程(高等専修学校)について記述しています。5年制(または5年6カ月)の高等教育機関である高等専門学校(高専)については、高等専門学校をご覧ください。

高等課程(こうとうかてい、公式英称 upper secondary course)は中学校もしくはこれに準ずる学校を卒業した者、もしくは中等教育学校の前期課程を修了した者、または文部科学大臣の定めるところによりこれと同等以上の学力があると認められた者(中学校卒業程度認定試験合格者など)に対して、中学校における教育の基礎の上に、心身の発達に応じて、職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的として組織的な教育をおこなう。高等課程を置く専修学校は高等専修学校と称することができる(学校教育法第126条1項)。
修業年限が3年以上の課程を修了した者は専修学校の専門課程に進学することができる。さらに、これに加えて、文部科学省の定める基準を満たす課程を修了した者は大学入学資格を有する。→専修学校高等課程も参照のこと。

専門課程


専門課程(せんもんかてい、公式英称 specialized course)は英語のpost-secondary educationを直訳した中等教育後教育とも呼ばれ、高等学校もしくはこれに準ずる学校もしくは中等教育学校卒業した者または文部科学大臣の定めるところによりこれに準ずる学力があると認められた者(高等学校卒業程度認定試験合格者など)に対して、高等学校における教育の基礎の上に職業若しくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的として組織的な教育をおこなう。
文部科学大臣の認定する専門課程を卒業した者には専門士高度専門士の称号が授与される。専門士は修業年限が2年以上で文部科学省の定める基準を満たす課程修了し、かつ、大学入学資格を有する者は大学への編入学が認められ(但し受け入れ先の大学の判断により認めない大学もある)、2年制の短期大学専攻科高等専門学校の専攻科への進学ができる。
さらに、修業年限が3年以上で文部科学省の定める基準を満たす課程を修了し、かつ、大学入学資格を有する者は以上に加えて3年制の短期大学の専攻科にも進学できる。
高度専門士は修業年限が4年で、文部科学省の定める基準を満たす課程を修了したものに付与され、大学院入学の資格が与えられる。ただし、短期大学卒業者とは異なり、専修学校専門課程修了の学歴を基礎資格に、例えば、図書館司書や中学校教諭二種免許状などの資格・免許状に必要な単位数だけでの取得はできない。

一般課程


一般課程(いっぱんかてい、公式英称 general course)は高等課程または専門課程の教育以外の職業もしくは実際生活に必要な能力を育成し、または教養の向上を図ることを目的として組織的な教育をおこなう。法令上では特に入学資格を定めない課程であり、入学資格は各校が定める。専修学校の中で設置基準が教員資格などの点でもっともゆるい。
小学生対象の学習塾にも一般課程の専修学校がある。また、駿台予備学校などの一部の大学受験予備校も専修学校である。


専修学校の設置基準


専修学校は修業年限は1年以上、昼間課程の年間授業時間は800時間以上、夜間課程の年間授業時間は450時間以上、生徒は常時40人以上でなければならない。専修学校と各種学校は類似しているが、各種学校の方が基準がゆるい(たとえば年間授業時数は680時間以上)。
高等課程のうち、大学入学資格が付与される課程は修業年限は3年以上、修了に必要な総授業時数は2590単位時間以上(1単位時間は50分)、修了に必要な普通科目の総授業時数が420単位時間以上(うち105単位時間まで教養科目で代替可能)でなければならない。
専門課程のうち、大学に編入学することができる課程は修業年限は2年以上、課程の修了に必要な総時間数は1700時間以上でなければならず、さらに、試験などで成績評価をおこない、その評価にもとづく課程の修了認定をおこなっている課程は専門士の称号を付与できる。
専修学校の設置基準は学校教育法のほかにも文部科学省令である専修学校設置基準(昭和51年文部省令第2号)などにくわしく定められている。
なお、上記でもちいられている「時間」という用語は単位時間(50分を原則とし、教育上支障のない場合には45分でも差し支えない)を指す。このことは専修学校設置基準関連法令の趣旨および概要を通達した別文書「学校教育法の一部を改正する法律等の施行について(昭和五十一年一月二十三日文管振第八十五号)」に記されている。


教育組織


専修学校には高等課程、専門課程、一般課程ごとに、専修学校の目的に応じた分野の区分ごとに「教育上の基本となる組織」を置くものとされ(専修学校設置基準第2条第1項)、「教育上の基本となる組織」に1または2以上の学科を置くものとされている(専修学校設置基準3条)(短期大学高等専門学校に置かれる学科とは性質が異なる) 、
複数の課程を置き、多数の分野をあつかう専修学校では「工業高等課程」、「商業実務高等課程」、「工業専門課程」、「商業実務専門課程」、「文化・教養一般課程」などの名称の「教育上の基本となる組織」が置かれ、その下に学科が置かれる。


施設および設備等


専修学校の施設および設備などについては「専修学校設置基準」(昭和51年文部省令第2号)の「第5章 施設及び設備等」などに定めがある。
原則 校地および校舎位置および環境は、教育上および保健衛生上適切なものでなければならない。
必ず)備えなければならないもの 校舎等を保有するに必要な面積の校地、校舎
目的に応じ、備えなければならないもの 運動場、その他必要な施設の用地
目的に応じ確保しなければならないもの 実習場、その他の必要な施設
目的、生徒数または課程に応じ、備えなければならないもの 教室講義室、演習室、実習室等)、教員室事務室、その他必要な附帯施設、「必要な種類および数の機械器具標本図書」、その他の設備
なるべく備えなければならないもの 図書室保健室教員研究室
夜間において授業を行う専修学校が備えなければならないもの 適当な照明設備
なお、専修学校は、特別の事情があり、かつ、教育上および安全上支障がない場合は他の学校などの施設および設備を使用することができる。


メリット・デメリット


メリット


デメリット




学生生活


高等課程


専門課程


基本的には4月入学・3月卒業である。
大学と異なる点

文化祭ミス(ミスター)コンテスト芸能人のトークショーなどのイベントを開催している専門課程は少ない。
その一方で、在学者の行事の参加は学習を披露する機会となるため、参加を義務付けている専門課程が多い。

一般課程




1条校化への動き


経緯


専修学校は学校教育法第1条に定められた学校(いわゆる1条校)ではないため、司書となる資格を取得できないことなどに制約があり、「激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律」(激甚災害法)が適用されない。このため、現状の設置基準を満たしたすべての専修学校を1条校に位置付けようとする運動もある。
文部科学省はこの動きを受けて「専修学校の振興に関する検討会議」を設置し、同会議は2008年10月20日、一定の水準を満たす専修学校を1条校に位置付けることを重要課題に挙げた報告書案をまとめた。その後、2008年11月に「社会環境の変化を踏まえた専修学校の今後の在り方について(報告)」がとりまとめられ、「新たな学校種に関しては、キャリア教育職業教育の在り方の全体像を議論する中で、重要な課題の一つとして、より総合的・多面的で専門的な検討を行い得る場である中央教育審議会において、議論を深めていくことが適当」とされた。
それを受けた中央教育審議会は、2009年6月22日、会議を開き、職業教育に絞った「新しい大学」を創設する方針を打ち出した。新大学の名称は「専門大学」、「職業大学」などが考えられている。「新しい大学」は実験や実習など仕事に直結する授業に重点を置き、割合として4-5割を例示している。企業でのインターンシップを義務づけ、教育課程の編成でも企業などと連携する。修業年限は2-3年、または4年以上を考えている。
中央教育審議会は2009年夏をめどに報告をまとめる方針である

問題点


なお、現状の設置基準を満たしたすべての専修学校を1条校にしようとする場合、新たな問題が生じることも懸念されている。
フリーライターの安田水浩は以下の理由で1条校化に疑問を呈している。
安田は、大学が専門学校化するのに対抗して専門学校が大学化してはならず、「してはたまるか」といい切る姿勢こそ必要ではないかと結論づけている


関連項目




参考文献